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混浴の宝石箱や~♪

logbook #219 中房温泉





中房温泉①1 綿の湯5のコピー

長野県安曇野から燕(つばくろ)岳を目指す山中に
信州を代表する秘境の一軒宿があります
その名も超有名な「中房(なかふさ)温泉」
このブログでも、行ってそうで行ってなかった名宿ですね

標高1450mの秘湯の宿は
夏でもエアコン要らずで快適☆
燕岳登山道の入り口として
シーズンには多くの登山客で賑わいます

この宿の魅力の一つが
何と言っても「混浴のデパート」と形容されるほどの
バラエティーに富んだお風呂
その数はなんと17☆
それだけの数の湯船に注がれる豊富な源泉の湯口は36箇所と
一宿では日本一の所有数を誇ります

更に数ある源泉の湧出口の多くを
敷地内の散歩道脇で実際に間近で見る事ができます

源泉温度は非常に高く90度以上
それでも「加水・加温」は一切なしの源泉掛け流し100%
様々な工夫を凝らした空冷式・水冷式という自然冷却装置により
温泉成分が薄められることなく湯船に注がれます

中房温泉①23 敷地昼6のコピー
散歩道のすぐ傍にある空冷式冷却装置☆

実際に見ることが出来るから信用度満点(笑)
中房温泉にはたくさんの外湯があり
しかも結構な山の中を歩くところも...
(ものの10分くらいですが..笑)
でもそれは”ロケーションがいいから”という単純な理由ではなく
出来る限り源泉湧出口に近い場所に湯船を作る事で
お湯の劣化を防いでいるのです
ただ広いだけの露天風呂や湯船の数をただ単に増やす事で
集客をする温泉施設と違い
まさに「湯使い」の優れた温泉宿なのです

なので温泉ファンにとっては「温泉・混浴のデパート」
彦摩呂的に言えば「混浴の宝石箱や~」(笑)
って感じです☆

中房温泉①3 敷地昼4のコピー

それでは中房温泉を紹介していきましょう☆
中房温泉の始まりは1821年江戸時代末期
この地に百瀬茂八郎により開かれた明晩鉱山
その際に湧出する温泉を利用し湯治場を設置しました

更に古くには
東日本の名湯開湯伝説ではお馴染み
坂上田村麻呂が征伐の際に、当地の鬼「八面大王」を退治した後に疫病が流行
収束させるために満願寺を建立
祈祷している時に疫病に効く温泉が湧出したのが
この温泉の始まりとも伝えられます

中房温泉には旅館部と湯治部に分かれ
それぞれ旅館部は新館、湯治部は本館(旧館)を使用しています
温泉をご紹介する上で分かりやすく
「外湯」「本館(旧館)」「新館」の3つに分けていきます

ちなみにあまりにもお風呂の数が多すぎるので
一泊二日ではなく二泊以上をお勧めします
(ワタシたちは強行軍の一泊でした...汗)
外湯には夜間入浴禁止の場所であったり
時間帯による男女入れ替えがあったりするので
スケジューリングも入念に効率良くお風呂巡りをしましょう☆

中房温泉マップ
(クリックすると大きくなります)
map.jpg



🔳外湯編

外湯には全部で10のお風呂があります



【湯原の湯】

中房温泉①9 湯原1のコピー

ここは中房温泉唯一の日帰り入浴施設
燕岳登山者が汗を流せるようにと作られたそうです
男女それぞれ二つの露天風呂があり
日によって男女入れ替え制になっています


【根羽の湯】

中房温泉③39 根羽の湯3のコピー

このお風呂は2015年にオープンした新しい貸切りのお風呂で
宿泊棟から最も遠く駐車場や合戦橋の直ぐ近くにあります
源泉は「湯原の湯」の湯元「妙見の湯」の源泉を使用
新しい杉の木作り感がとても癒し効果があり
居心地よすぎて住みたくなるぅ~(笑)

このお風呂は長野県の支財援事業
「信州の木活用モデル地域支援事業」の支援を受け
根羽村の杉を使ってつくっています
そして車椅子の方でも入浴しやすいように
バリアフリー設計されています☆



【白滝の湯】

中房温泉①28 白滝の湯3のコピー

外の湯の中で最も遠い露天風呂のひとつ
徒歩10分を要します
本館の裏手に回り、ちょっとした山道を進みます
新緑に包まれた静かなお風呂☆
「白滝の湯」へはサンダル履きではなくスニーカーをお勧めします
夜になると真っ暗で危険なため夕食以降の入浴は不可

山の上に源泉があり、白滝を描きながら岩の斜面を流れてきます
これも自然冷却の空冷式ですね
流れ落ちたお湯はまだまだ熱いので
一度小さな湯だまりに貯められ
そこから小さい湯船、そして大きな湯船へ注がれています
なので一番手前の大きな湯船が適温☆
このような温度調整を見るのも中房温泉の醍醐味♪

中房温泉①36 白滝の湯10のコピー

中房温泉①34 白滝の湯8のコピー

木々に囲まれているため薄暗く
一人ではちょっと心細いかな~
でも秋の季節は紅葉がとても綺麗でしょうね☆
素晴らしい露天風呂です
しばしボ~っとしすぎて時間の流れを忘れてしまいすよ♪

中房温泉①38 白滝の湯14のコピー



【菩薩の湯】

中房温泉①11 菩薩の湯10のコピー

新館より2番目に遠い露天風呂で徒歩5~6分
「白滝の湯」同様、夕食後は暗くなってしまうので危険につき入浴不可☆
なので一泊で中房温泉にお泊まりの方は、チェックイン後
速やかにこの二つの露天風呂を回るといいかもしれませんね

この「菩薩の湯」
湯船を作るためにこの場所を掘ったところ
な、なんと!土中からこの菩薩像が出土したことから
その名が付けられたという
なんとも御利益のありそうな露天風呂
入浴中も菩薩様が優しく見守ってくれていましたよ♪

中房温泉①15 菩薩の湯6のコピー

露天風呂の奥に道路があるせいか葦簀で目隠しされていて
せっかくの景観が、ちょっともったいないかな~って...
ここは大胆に取っ払ってもらいたいですね(笑)
..ってワタシは大丈夫でも
普通の女性は入りずらくなってしまいますね

中房温泉①13 菩薩の湯9のコピー



【根っこ風呂】

中房温泉の敷地内を見渡せる高台に位置する
”混浴”というよりは”お一人様”専用風呂☆
この湯船、思ったよりも深く
ワタシが立つとお腹のあたりまで浸かることができます

簾を上げてしまえば開放感のある根っこ風呂
カップルさんやご夫婦さんであれば
ギリギリ二人で仲良く入ることも可能かな☆
ワタシはカレと入ってみたら勢いよく半分以上のお湯が
ジャッバ~んと溢れてしまいました(笑)

湯船が小さいだけに
常に劣化されていない新鮮なお湯を楽しめます

中房温泉②7 根っこ3のコピー



【プール風呂】

中房温泉②9のコピー

「根っこ風呂」から敷地の斜面を少し降りたところに
この宿の名物風呂があります☆

それはもはや”風呂”ではなく..
「プール」です(笑)
25mのプールでご丁寧にコースロープもあり
3コースに分かれています

♪第2のコ~ス!25m正装自由形~みうたん!
当然このプール風呂を目の前にしたら
まずは泳ぎます☆
最初は平泳ぎですが..後半は”犬かき”☆...自由形ですから♡

中房温泉②13 温水プール5

少々湯底の”藻”が気になりますが...
特に夏場はお子さん連れにはメチャ楽しめるお風呂ですね
浮き輪を持ってプカプカ浮いているだけで楽しめそう~

このプール風呂☆
あなどるなかれ!ただのプールではありません
中房温泉の中にいくつかある国の「登録有形文化財」なのです!
ええっ~??
その選考理由が知りたいものですが...
楽しめて貴重なお風呂でした☆

中房温泉②12 温水プール4



【地熱浴場】

中房温泉②25 地熱浴場2のコピー

プール風呂より斜面を下がった所に
葦簀に囲まれた広いエリアがあります
覗き込んでみると、そこには浴槽はなく
一面にスノコが敷かれていました
ここは「地熱浴場」☆
地熱を利用した岩盤浴です

側にある棚から”ゴザ”と毛布が用意してあり
自分の好きな場所に敷きます

玉川温泉で岩盤浴の魅力にはまったワタシ!
さっそくゴザを敷いてゴロりん♪
あったか~い♡
6月の涼しげな山の空気の中
至福の時間です

夜になると真っ暗な中
ゴザを敷いて仰向けに寝れば
満天の星空を見ながらの岩盤浴
普段では経験できない贅沢な時間が待っています

残念ながらこの日は小雨交じり...
プラネタリウムはお預けでしたが
とても気持ちが良かったです☆

ここはたまに全裸で寝ている殿方もいるようですが
基本は浴衣着用です☆
..といってもワタシも夜は脱いじゃいましたが(笑)

中房温泉③10 地熱浴場8のコピー




【滝の湯】(貸切)

外湯唯一の貸切風呂で2つの浴室が対照的にあります
2~3人用の小さな湯船には
高い位置にある木筒からお湯がチョロチョロと注がれています
景観は望めませんが
誰にも気兼ねなく外気に触れながらの湯浴みは
とてもリラックスできますよ~

中房温泉②22のコピー




【蒸し風呂】

源泉”蒸し風呂2号”を使用した蒸し風呂☆
扉を開けると小さめの部屋には湯気がモクモク
ワタシ..閉所恐怖症なので(泣)
ちょっと覗いてすぐに出てきちゃいました

中房温泉①25a むし風呂1のコピー



【綿の湯】(足湯)

中房温泉③1 綿の湯6のコピー

薬師の湯1号・2号・3号混合泉を使用した足湯
不思議なことに足湯の屋根の梁の部分には”男”と”女”の文字が..
ええっ?足湯なのに男女別??

実はこの「綿の湯」はもともと後ろに見えている
「蒸し風呂」の”汗流し浴槽”として男女別の内湯だったものを
2004年に改装し現在の足湯の姿に☆
なるほど~
そんあ昔の名残を見るのも、また楽しいものですね



【月見の湯】

外湯にある露天風呂の一番人気の「月見の湯」
敷地内の一番高い位置にあるお風呂で
「根っこの湯」や「プール風呂」の上にあります
新館からも近い場所にある露天風呂なので
夜間でも使用可能です
但し本館・新館共に23時には施錠されてしまうために
それ以降は入浴できません

中房温泉③2 月見の湯5のコピー

何と言っても「月見の湯」の一番のゴールデンタイムは
陽の落ちた夜でしょうね☆
頭上を隔てるものがないので
晴れた日の夜には今にも降ってきそうな
満天の星空を楽しめます

明治・大正の小説家”吉田 絃二郎”は
夫婦でこの中房温泉を訪れた時
妻である明枝さんは中房に輝く満天の星を見つめ
「星ばかり美しき夜となりにけり」と詠んだそうです
(その俳句の碑は焼山に向かう登山道に)
それだけ見事な星空
アルプスの幻想にゆったりと身を預けてみては如何でしょうか

中房温泉③6 月見の湯7のコピー

湯船の周りにはたくさんの植物が☆
ツツジの花びらがとても綺麗でした

中房温泉③7 月見の湯3のコピー




🔳本館(旧館)編

中房温泉で最も古い湯治部の本館
玄関を開け廊下を進むとギシギシ響く音が
鄙びた雰囲気を更に演出します

本館には3つの湯船があります

【御座の湯】

中房温泉で最も古く歴史ある男女別内湯
かつては松本藩主をはじめ
日本アルプスを世界に紹介したイギリス人宣教師
ウォルターウェンストンが1912年に宿泊した際に
好んで入浴されたといいます


【大湯】

二階建ての男女別の半露天風呂

この二つは混浴でないことと
過密スケジュールだったので
今回はやむなくスルー...



【不老湯】

本館唯一の混浴大浴場でワタシのお気に入りのお風呂のひとつです☆

中房温泉②36 不老湯8のコピー

古い本館から渡り廊下で不老湯の浴室へ
本館とは対照的に、最近改装された新しい浴室内は
とても清潔感があります
存在感のある天井部分の梁はヒバを使用
浴室内のすべての壁は檜という
木のぬくもり、香りが漂う癒しの空間になっています

浴槽はコンクリートで固められ
無造作に大小の岩が配置されています
内湯でありながら一方は半露天のように大きく開かれているので
開放感もたっぷりです

夜になるとランプの灯りのような
優しい白熱球の光が檜の壁を照らし
ずっとこのままお湯に抱かれていたいと思える
居心地の良さがありました

中房温泉②42 不老湯4のコピー

中房温泉②38 不老湯10のコピー



🔳新館編

最後に旅館部である新館をご紹介します☆
新館には浴室が4つ


【家族風呂】【薬師の湯】

小さな湯船の貸切風呂が2種類あります
館内のお風呂は基本的に24時間入れるので
好きな時間にまったりと過ごせそうですね

中房温泉③12 家族風呂2のコピー


【大浴場】

さぁ新館の混浴です☆
「大浴場」は男女別の脱衣所から大きな浴室へ入ります
たまに女性も混浴と知らずに無防備に入ってきてびっくり!
何てこともあるみたいです(笑)

中房温泉③21 大浴場3のコピー

この「大浴場」でまず目につくのが
男女それぞれの洗い場のテリトリーを
邪魔するように隔てている木筒の湧出口!
これ、大浴場の天井に使われている梁(おそらくヒバかな?)と同じ
丸太一本をそのまま使っているんですよ☆
勢いよくお湯が出過ぎないように堰き止めてあります

こんなに大きなお湯の湧出される木筒は
”泡の湯”の露天風呂ものにも劣らない存在感☆
大迫力です

中房温泉③19 大浴場4のコピー

この「大浴場」でようやく他の宿泊客の殿方たちとご一緒しました
平日とはいえ、ある程度の宿泊客がいるものの
これだけのお風呂の数だからなのか
混浴でありながら一度も「混浴」していませんでした(笑)

日帰り不可、立ち寄り湯不可
宿泊客だけの中房温泉には
当然女性の裸目的の”ワ◯”さんは生息していません(笑)
皆さん紳士的に、かつ自然に振舞ってくれているので
安心して混浴を楽しむことができるでしょう

中房温泉③24 大浴場8のコピー



【岩風呂】

混浴大浴場で館内唯一の露天風呂である「岩風呂」へは
夜と朝の二回入浴しましたが
朝のチェックアウト前は殿方が5名ほど入られていました
おお~久々の混浴っぽい感じ(笑)

夜の岩風呂は静けさの中での入浴
灯りも必要最小限でした

お気付きですか?
何やら浴槽の中央部に大きな突起物...
ボスキャラでも出てきそうな正体不明の謎の物体...
岩で固められた源泉の湧出口です
てっぺんから93度の単純硫黄泉が湧出し
オブジェの様な岩の伝って浴槽にかけ流されています

これもひとつの空冷式自然冷却装置という訳です

本当に多種多様の冷却システムがあって
見ているだけでも楽しめますね

中房温泉③14 岩風呂2のコピー

さすがに殿方が慌ただしくチェックアウト前の
入浴をされている中での正装はご迷惑かなと思い(笑)
珍しくバスタオル巻きで...☆

皆さんが出て行った後
誰もいなくなった「岩風呂」を満喫しました☆

中房温泉③49 岩風呂11のコピー

*********

いかがでしたか?
これだけの数のお風呂を、一泊二日で回ったワタシ達..
我ながら凄い...(笑)
それでも湯疲れひとつせず、心身ともにリフレッシュ出来たのも
やはり中房の究極とも言える「湯使い」の賜物かもしれません

ぜひ中房でじっくりとお湯と向き合ってみたい方は
2泊以上の滞在をお勧めします!
これからやってくる秋の中房の紅葉は
きっと人生の記憶に深く刻まれる時間を提供してくれるでしょう♪

今回は長~いレポート
お付き合い下さいまして感謝です

みうたん

みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆☆☆

【住所】 長野県安曇野市穂高有明7226
【☎︎】 0263-77-1488
【入浴料】 700円(日帰り入浴施設”湯原の湯(男女別)”のみ)
【入浴時間】 日帰り入浴不可(日帰り施設”湯原の湯”は9:30~16:00)
【定休日】 不定休(要確認)

【HP】 中房温泉HP


参考であり、変更もしくは過去のデータである恐れがありますのでご理解ください

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