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2017.04.05 浅酌低唱?
浅酌低唱?

logbook #246 筋湯温泉 せんしゃく湯








”おんせん県”である大分県には別府、湯布院に引けを取らず
阿蘇くじゅう国立公園の雄大な景色と豊富な湯量を誇る温泉地があります
熊本県との県境に点在する素晴らしい温泉地
宝泉寺温泉
壁湯温泉
川底温泉
龍門温泉
湯坪温泉
筌の口温泉
長者原温泉
寒の地獄温泉
そして最大の温泉地である筋湯温泉
これらを総称し「九重九湯(ここのえきゅうゆ)」と呼ばれています
他にも温泉地はあるのですが”9”に拘ったのは”九重”だからでしょうね☆

せんしゃく湯4

”筋の痛みに効果がある”とされてきた名物「日本一の打たせ湯」を持つ、その名も文字通り”筋湯(すじゆ)温泉”
湯の発見は958年で温泉街としてスタートしたのは1658年と
実に1000年を超える歴史を持つ九重の山間にあるこの温泉では
現在28軒の旅館と4つの共同湯を楽しむことができます

温泉街を走る日田バスの筋湯温泉バス停を降りると「岩ん湯」「薬師湯」「うたせ湯大浴場」という3つの共同湯への表札が目に付きます
もともとは全て混浴だった共同浴場ですが、やはり時代の流れから浴室に敷居が作られたり時間制の男女別浴へと現在様変わりをしてしまいました
その中で唯一”混浴”スタイルを貫いている共同湯が「せんしゃく湯」....なのですが
先ほどの3つの共同湯の表札案内はあるものの一向に「せんしゃく湯」なる表札や案内図は見当たりません

以前来たことがあるというカレの記憶を元に
清風荘と辛川荘本館の間の細い路地を降りていきます
草の生い茂った路地、途中には廃墟とした辛川荘別館(かつて混浴あり)を通り川沿いの小径を進みます
この一画はまるでゴーストタウンのような静けさ...本当に共同湯は存在するの??
そんな心細い気持ちのまま進むと
茂みの奥に「せんしゃく湯」はありました

せんしゃく湯3

ただ安心できないのは施錠してあったり
もしかしたら湯船のお湯が抜かれていたりと不安が頭をよぎります
入り口のサッシに手をかえると音を立てながらすんなりドアが開き
うっすらと湯気をたたえた湯船がワタシたちを迎え入れてくれました♪

よかった~☆

せんしゃく湯17

湯小屋内は無機質な作りの印象で入り口が2箇所
脱衣所と浴室には隔たりのない一体型で
男女別?の意味なのか分かりませんが2つに分けられたロッカー
その間には休憩もしくは着替える時の補助用のベンチが作り付けられ
大きな曇り窓からはたくさんの光が注がれています
混浴初心者の女性にはハードルが高いですね

岩で組まれた湯船は5~6人が入ってもゆったりできる広さです
お湯は適温でとてもリラックスできました
同じ筋湯温泉の宝珠屋の無色透明無味無臭の単純泉とはちょっと違って
ほのかな金気臭を感じ、湯底やお湯の流れ出る排湯溝は温泉成分によって赤茶色に染められていました
なのでここは成分が濃い目なのかな?
ちょっと得した気分です☆

ただ違和感を覚えるのが、この静けさ...
もちろん立地的にも川沿いの茂みの奥にあるので喧騒とは無縁なのですが
あまり人の出入りする気配が感じられないというか...
でも埃や蜘蛛の巣があるわけでもない、ゴミが落ちているわけでもない
綺麗に清掃はされいるのです
なんとなく”活気”を感じられなかったのです

せんしゃく湯15

実はここに来る前の下調べの中で、理由はわかりませんが「せんしゃく湯は閉鎖中」的な情報を、たくさんのブログなどで拝見していたので
半ば駄目元で足を運んだワタシ達なので入浴できた事がラッキーというか不思議でならないくらいです
(訪問時2016年1月)
..もしや?現在は観光客用ではなくいわゆる”ジモ専”?に変わった?
...としたらゴメンなさいです...(汗)

本当にこの時は偶然にもラッキーだったようで
その後もネット上では”閉鎖”の情報が続いています


さて話は変わりますが
小松地獄などこのエリアの地熱は非常に高く
筋湯温泉近くにはモウモウと湯煙あげる「八丁原地熱発電所」があります

日本国内の地熱発電の歴史を紹介すると
岩手県の松川温泉近くの松川地熱発電所が国内初の本格的地熱発電所として有名ですが
大分県の取り組みは更に早く、すでに大正14年に温泉地・別府で太刀川平治博士が1.12kWの発電に成功していたそうです
その後1966年の松川、その翌年に大分の大岳発電所がそれぞれ操業し国内の地熱開発の牽引をする役割を担っていきます

ここ八丁原発電所1号機の操業は1977年、1990年には2号機も稼働するなど、日本は世界有数の地熱大国に成長していきます
更に2004年からは低温度域の蒸気・熱水での発電を可能とする国内初のバイナリー発電方式を成功させ
今や八丁原は国内最大の地熱発電所として活躍しています

現在の筋湯温泉の源泉は2003年8月に設立された「筋湯温泉供給株式会社」により供給されるもので
地熱発電所からの余剰温水が温泉街に送湯され使われています

せんしゃく湯16

そんな中、2004年に世間を賑わした「温泉偽装問題」では筋湯温泉の発電所より
送湯されるお湯にも疑惑が持ち上がります
確かに筋湯温泉の温泉を掘削しているのは地熱発電所側ですが
発電所で必要なのは温泉の”噴気”と”蒸気”であってお湯自体は必要ありません
その使わないお湯を温泉側と合意の上
使用しているのが筋湯温泉のお湯であり
れっきとした温泉な訳です
(源泉名 「八丁原地熱 熱水」75.7℃ ph6.4)
という訳で世を賑わした「温泉偽装」の誤解は難なく溶けました
もちろん安全性もしっかりと確保されていますので安心してくださいね

そのほかにも昔ながらの独自源泉や筋湯を流れる沢の水を噴気に当てて温泉にした源泉(「筋湯分湯組合」94.6度 ph7.6)を使用していますが、これを「造成温泉」と呼ぶそうです
「温泉法」による「温泉」の定義は”地中から湧出する温水や鉱水、及び水蒸気その他のガス”と定義してあるので
地中から噴出した水蒸気に水を入れることにより液体化した正真正銘の”温泉”なのです

有名な箱根の強羅温泉や仙石原なども、実は大涌谷の噴気による「造成温泉」の代表格☆
いろいろな温泉があるんですね~

せんしゃく湯13

ただ地熱発電開発による自然破壊や汚染問題
その影響による近隣の温泉の枯渇問題など
いろいろな事実や風評が混ざり混ざって広がっているのも事実だそうです

このせんしゃく湯の閉鎖に関しても
「お湯が枯渇した」や「温度が下がった」などの
様々な噂も飛び交っています
今回はラッキーにも入浴できたことに感謝したいと思います

混浴や温泉を取り巻く環境には
後継者問題や高齢化問題だけでなく
様々なものがあるんだと
「せんしゃく湯」に浸かりながら考えてしまいました

浅酌(せんしゃく)とは”ほどよくお酒を飲むこと”の意味
温泉街から川辺に降りた静かな立地のこの湯小屋
まさに静かにお酒を嗜みながら
ゆっくりとお湯に身を鎮める...
いいですね♡

未来永劫
どんな形になっても
存続の道を歩んで欲しいと
心から願います

せんしゃく湯20

朗報!
本日(2017.3.31)に九重観光協会へ問い合わせたところ
やはり「ジモ専(地元の方専用)」になっていたそうです


とりあえず一安心...
ぜひ地元の方のご好意で入浴させてもらえるチャンスがあるかも!ですね




みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆

【住所】 大分県玖珠郡九重町湯坪
【☎︎】 0973-73-5505
【入浴料】 300円
【入浴時間】 7:30~21:00
【定休日】 閉鎖中?(要確認)

【HP】 筋湯温泉HP


参考であり、変更もしくは過去のデータである恐れがありますのでご理解ください

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