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地獄への探検♪

logbook #210 鳴子温泉郷 鬼首温泉 荒湯地獄





鳴子温泉郷の中心部の鳴子の温泉街から人里離れた「鬼首温泉」は
神滝・轟・宮沢・吹上 に分けられ
それぞれが一軒宿の温泉地で形成されています
温泉街はなく山間の小さな集落に点在する温泉地です

”オニコウベ”
初めて名前を聞く人にとってはインパクトある地名ですね
”鬼”の首”ですからね...なにかいわくつきの土地なのかなぁと思ってしまいますが
平安時代初期に坂上田村麻呂が蝦夷平定に東征した際に
『鬼』と呼ばれ恐れられていた「大竹丸」の首をはねた事から
「鬼首(オニコウベ)」の地名になったそうです
名前の不気味さとは裏腹に、鬼首温泉のある吹上高原には
スキー場やキャンプ場などリゾート地として人気のある観光地として有名です

ただ、吹上高原から山深く入っていくと
硫黄臭の立ち込める「荒湯地獄」や「片山地獄」といったワイルドな荒涼な風景が突如現れ
「鬼首」という地名がマッチする雰囲気が漂ってきます

荒湯地獄前14

鬼首周辺の吹上高原は今から20~30万年前に出来た
「鬼首カルデラ」の中にあり
今回の「荒湯地獄」はまさにそのカルデラ火口跡になります
カルデラの中央には荒雄岳や中央火口丘をなす高日向山から形成されます

吹上キャンプ場から林道を上っていくと舗装路が砂利道になり
ちょっと不安な気持ちになりますが、またすぐに舗装路に☆
それはこの先にある”鬼首地熱発電所”の為と思われます
日本で4番目の地熱発電所として昭和50年に稼働し
今現在も鳴子の地域に送電を行っています
周辺ではあちこちから湯けむりが上がっていますが
この辺りを”片山地獄”といい、たくさんの素晴らしい野湯があるとの事ですが
現在は一般の人の立ち入りは禁じられています

明治18年~昭和28年までこの辺りでは硫黄鉱山があり
最盛期には800人以上の人が硫黄の精錬を行っていました
片山地獄が硫黄鉱山として栄えている頃
荒湯地獄周辺は鉱山町として栄え、旅館や学校も存在していたと言います
閉山後は自然災害の恐れがある事から撤退命令が出され
多くの方が山を降りて、現在のまさに”地獄”の風景だけが取り残されています

荒湯地獄前11

林道を進むとT字路に突き当たり「鬼首地熱発電所」とは逆の方向に進むと
すぐ左手には白い硫黄地帯が開けてきます
ここに車を止め、右手方向に進みしばらくすると
「この先有毒ガス噴出の為、立ち入り禁止」の立て看板があり恐怖心を煽ります
くれぐれも硫化水素には注意したいものです

やがて小さな小川が沢を流れ始め、両側の硫黄地帯も次第に狭まってきます
荒湯地獄の”湯だまり”地帯は、ここから下っていく沢沿いに点在し
先人が作ったであろう湯だまりがあちこちに見られます

もちろん”脱衣所”なる文明のものはなく
男性も女性もワイルドに脱衣するのがルール(笑)

荒湯地獄前12

鬼首の地熱のパワーをあなどるなかれ
不用意に足でも入れようものなら火傷しますのでご注意を☆
沢を下に行けば行くほど湯温が下がると思いますので
適温の湯だまりを探してみてくださいね
”宝探しの冒険”みたいで楽しいですよ

多くは湯船と言えるものではなく
お尻をつけるだけの”尻湯”のような浅い湯だまりばかりですが
荒湯の自然を満喫するには充分♪
すでに殿方がおふたりと若いお兄さんがお湯を楽しんでいました

沢の一番下には湯加減もちょうど良さそうな
定員2名ほどの湯だまりがあり殿方ふたりが入浴中
羨ましそうに見ていたら一人の殿方が「どうぞ~」って譲ってくれました
早速入湯~
ここは湯底が砂利状態ですが、寝湯にぴったり☆
初対面の殿方と混浴の一期一会を楽しみます

荒湯地獄前26のコピー

荒湯地獄前27

子供のようにメチャリラックス☆
ここでは誰もが恥ずかしがる事なく
自然な気持ちで開放的な気持ちになれる裸天国ですよ♪

全国の1000以上の野湯を回られているという殿方とご一緒し
いろいろな話を聞けました
1000の野湯って...すご過ぎ~神です☆
その野湯ハンターの殿方の話では
この先の南側から合流する沢を登った先にも
大きな湯船があるよ~と教えてくれたので
さっそくそのままタオル巻きで向かいます

沢を100mほど登ると、見えてきました
有志の方たちが作ったであろうブルーシートで作られた大きめの湯船
しっかりと石で組み上げられ、湯船のふちには丸太がしかれ
着替えられるようにパレットも置かれていました

荒湯地獄後5

透明のお湯でしたが湯船に入ると
湯底に沈殿していた湯の華が一気に舞い始めます
まるで中華スープのような感じ(笑)

濃い酸性の硫黄泉で、この時に使ったタオルは洗濯して数日経っても
匂いが取れないくらい
硫黄泉好きにはたまらないでしょうね

こちらの湯船は肩までしっかり浸かれるので
荒湯湯だまり巡りの〆にオススメです
帰り道はこの湯船のすぐ後ろの笹薮を上っていくと
数分で林道に出られます☆

様々な顔を持つ鳴子温泉郷の中でも
特にワイルドな野湯である荒湯地獄
春や秋は気持ちのよい野湯を楽しめること間違いなしです☆

荒湯地獄後19のコピー


みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆☆☆

【住所】 宮城県大崎市鳴子温泉鬼首荒湯地獄内
【☎︎】
【入浴料】 無料
【入浴時間】 24h (明るい内をお勧めします)
【定休日】 もちろんなし

【HP】


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2016.05.26 うなぎの湯
うなぎの湯

logbook #209 鳴子温泉郷 中山平温泉 うなぎの湯 琢琇





美人の湯として名高い鳴子温泉郷 中山平温泉
宿名に「うなぎの湯」と打ち出す人気の宿「琢琇(たくひで)」
広い敷地を贅沢に使った今風の高級旅館です

ロビーにはラウンジや売店も併設してあり
立ち寄り湯の料金800円という設定で
自由にお茶が飲めたり、メインである8つのお風呂を楽しめるなど
立ち寄り客には、とても良心的な旅館と言えるでしょう

琢琇9

琢琇のお風呂の中で、もっとも広い湯船が
混浴の「長生の湯 露天風呂」
男女別の内湯からそれぞれ露天風呂へアクセスします
20人ほどは余裕で入れる大きさで
緑がかったお湯はアルカリ度の高い美人の湯ph8.9~9.4

琢琇の提唱する「美人の湯の四大条件」

①皮脂や角質層・老廃物を溶かしツルツルの肌にする作用があるアルカリ性である事
②美白効果と紫外線から肌を守る作用があり皮脂を取り美肌効果がある硫黄泉である事
③肌の皮脂や汚れを難化・乳状にして洗い流す作用がある炭酸水素塩泉である事
④肌のハリと弾力を呼び起こす作用とアンチエイジング効果、肌荒れを防ぐ薬効のある硫酸塩泉である事

国内には”日本三大美人の湯”といわれる温泉がありますが
(群馬の川中温泉、島根の湯の川温泉、和歌山の龍神温泉)
中山平温泉は含まれていません
「三大○○」系の根拠も特にないのでしょうけど...
琢琇のお湯は四大条件を満たす含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉ということで
大々的に「美人の湯」を打ち出しています

琢琇16

今までも「とろとろ」「ぬるぬる」の温泉に入ってきました
ワタシ的に強烈な印象だったのは
福島県の湯岐(ゆじまた)温泉”山形屋岩風呂”
福島県の新菊島温泉、青森県の嶽温泉"田沢旅館”です
特に新菊島と嶽温泉は滑りが良すぎて
浴室の床ですってんころりんといきそうなくらい
ワタシが湯船のふちに座っていたら、カレに押され
そのままカーリング状態で滑っていく感じ(笑)
なので「うなぎの湯」ということで、それをイメージしていたのですが
意外にあっさりでサラッとした無色透明のお湯でした

琢琇22

琢琇は源泉を3本持っていますが
その中でもっとも「うなぎの湯」を堪能するには
男女入れ替え制の半露天風呂「鶴の湯」がオススメだそうです
混浴ではなかったので、今回はいつものようにスルーでしたが...

それでも露天風呂のお湯
湯の中で肌を触ると、たしかに滑らかな肌触りを実感できます
長い時間入っていても体に負担の少ないやさしいお湯といえますね

訪れたのは12月の初め
とても気持ちのよい冬晴れの日
青空のもと清々しい気持ちで癒されます

琢琇19

露天風呂からは静かな中山平の雑木林が見えます
決して雄大な自然!という訳ではありませんが
日常の喧騒から逃れて体を癒すには十分すぎるくらい☆

もともとは「中山平山荘」という東京在住のオーナーの経営する昔ながらの温泉宿でしたが
後継者不足と経営者の高齢を理由に休業中、売りに出された所を
平成3年に前女将が買い取り旅館経営をスタート「琢琇」がスタートしました
もともと東北きっての生保レディとしての手腕を生かされ
「気配りと」「まごころ」そして女将さんの持ち前のエネルギーを余すことなく発揮し
ピーク時には2つの別館、隣接する熱帯植物園を買い取るなど
女性経営者としての類稀なる手腕を振るっていました

でも鳴子温泉だけに限らず温泉旅館経営や観光業界全体の斜陽傾向
東北を襲った東日本大震災の被災やその後の風評被害
追い討ちをかけるように数年前に女将さんが他界するなど
経営に大きな打撃を受けます
それでも前女将さんの想いの詰まった「琢琇」の意思を
息子さん夫婦が引き継ぎ、今に至ります

気配りの行き届いた接客、極上の美人の湯
とても素晴らしい宿です
ぜひぜひ足を運んで「うなぎの湯」の館内湯めぐりを楽しんでみてください☆

琢琇29

ワタシ達が露天風呂にいたら、おもむろに庭師のお兄さんが来て
もくもくと植木の冬囲いの作業を始めました(汗)
ちょっと近い...けど...(笑)



みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆

【住所】 宮城県大崎市鳴子温泉星沼20-9
【☎︎】 0229-87-2216
【入浴料】 800円
【入浴時間】 10:30~14:00 15:00~20:00(受付19:00)
(土日祝は14:00まで)
【定休日】 なし

【HP】 うなぎの湯 琢琇


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2016.05.22 あすか旅館
鳴子スタイル☆

logbook #208 鳴子温泉郷 中山平温泉 あすか旅館








あすか20

鳴子温泉地区から国道47号線を更に西へ
紅葉の名所として名高い鳴子峡の南西約1kmほどに位置する
温泉地「鳴子温泉郷 中山平温泉」
江合川の支流である大谷川のせせらぎに沿って豊富なお湯が湧き出しています

国内で確認される11種の泉質のうち
ここ中山平温泉だけでも5種類のお湯を楽しめます
◻︎単純泉
◻︎重曹泉
◻︎芒硝泉(ナトリウム硫化塩泉)
◻︎硫黄泉(硫化水素泉)
◻︎アルカリ性単純泉

特にアルカリ度が鳴子温泉郷の中でもひときわ高く
そのお湯は「うなぎの湯」とも称されています
この名前は、ぬるぬるした感触が得られる湯から来ています
ワタシの印象では鳴子温泉郷は西(中山平)に行くほどアッサリ滑らか
東(東鳴子)へ行くほど個性の強い濃いお湯のいめーじがあります

あすか9

現在は14の宿があり、鳴子温泉のような温泉街といより宿が点在する温泉地
地熱が高く、温泉郷の中でも湯量が最も豊富だそうで
72本ある源泉の役半分を個人が所有してるとの事

中山平温泉の開湯は300年前
元和~寛永時代の1628年
温泉の歴史もさることながら
この温泉地には義経伝説や俳聖・松尾芭蕉の辿った
”おくのほそ道”のひとつ古道『出羽街道中山越』が昔の姿のまま残り
多くの観光客がハイキングを楽しんでいます

今回お邪魔した宿は中山平温泉の静かな田畑が広がる集落にある
「あすか旅館」☆昭和の匂いプンプンの旅館です
入り口付近では源泉をタンクで買いに来るお客さんの姿がみられます

広い玄関と開放感はありながら少々薄暗いロビー
そして少々耳の遠いおじいさんに立ち寄り料金を払うと
館内の男女別の大浴場を案内されました
大浴場から混浴の露天風呂へ出られるのかと思いきや
そのようなドアも通路もなし...
駐車場からは建物の左端に囲いのある露天風呂は確認しているので
そのあたりを目指し館内を捜索するものの
一向に混浴露天への扉らしきものは、なし..

それもそのはず
混浴露天へは建物から一旦外へ出てアクセスするようになっていました
建物とは別の脱衣所であるプレハブ小屋から入る仕組みで
プレハブの引き戸の真ん中が囲いで仕切られていて
引き戸の片方から脱衣所に入り、引き戸の片方から露天風呂へ入るというもの
なんとも手作り感満載の複雑な作り ..
しかも南京錠がかけられていたので
再度フロントに行って鍵を借りてようやく露天風呂へ☆

脱衣所から露天風呂までの通路や
露天風呂の囲いは、若干というかまるで頼りなし(笑)
露天風呂からも駐車場が隙間から見えます
という事は注意しないと駐車場からも見えてしまいそうなので
女性は注意ですよ~

あすか15

ワタシの姿見えますかぁ~(笑)

あすか21

人が入っていなかった事もあり、ここでも”激アツ”の洗礼を受けました(汗)
アルカリ性単純温泉で源泉温度は80度と高め
湧出口から出てくる温度もおそらく60度近くあると思います
仕方なく水道のホースを引っ張ってきて加水...
それでもなかなか適温にならず悪戦苦闘
ようやく体をし沈める事ができました☆

「うなぎの湯」といわれる中山平のお湯
トロトロをイメージしていましたが、意外にあっさりのお湯
無色透明、無味無臭のさらりとした印象でインパクトもそれほど強くありませんでしたが
湯の中での肌の感触はとてもよく、上がった後もずっとポカポカ感が残っていました
さすが歴史ある中山平の湯、質は高いですね

あすか29

あすか31

尚、この露天風呂は雪深い地域のため冬季閉鎖となり
館内の内湯のみとなりますのでご注意を!
受付してくださった耳の遠いおじいさんに
何月から何月までが冬季閉鎖なのか聞いてみたら
「雪が積もってきたら入れないし、とけたら入れるよ~」との事(笑)
この曖昧さ加減にも鳴子スタイルを見た気がしました☆


みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆

【住所】 大崎市鳴子温泉星沼68-1
【☎︎】 0229-87-2131
【入浴料】 500円
【入浴時間】 10:00~17:00(要確認)
【定休日】 なし

【HP】


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2016.05.15 ブルー♪
ブルー♪

logbook #207 鳴子温泉郷 鳴子温泉 旅館すがわら





鳴子温泉の起源は平安時代の837年(承和4年)
鳥屋ヶ森(鳴子火山)にて火山性の爆発が起こり
現在の鳴子温泉街の温泉神社付近からお湯が吹き出した事で始まります

1000年以上前に編集された「後日本後記」にはこう綴られています

「雷響き振動昼夜止まらず。
温泉河に流れてその色 漿(米を煮た汁)の如し。
加うるに以って山焼け、谷塞がり石崩れる。
さらに新沼を作る。
沸く声雷の如し」

すがわら22

この大規模な噴火を里人が朝廷に報告
この年の10月朝廷はこの地に一社を建てて
温泉神社を祀り”從五位下”を賜ります
鳴子温泉神社は延喜式内社の由緒の深い神社として
愛媛道後温泉の湯神社
兵庫有馬温泉の湯泉神社
栃木那須温泉の湯泉神社
福島湯本温泉の温泉神社
島根県の玉造湯神社とならび
その名は京の都にまで届いていたと言います

当時の雷鳴の鳴響く様子から
「啼き子の湯」と呼ばれ
それが「鳴子」に変わっていったと伝えられます

他にも平泉へ逃げる途中に生まれた義経の子を
この付近の湯で産湯につけた時に初めて啼いたことから
「啼き子」になったという伝承もありますが
真実は如何に...(汗)

現在は鳴子温泉神社の"一の鳥居"脇で
湯気を上げながら湧き出る源泉があり
「御神湯」として6本の木筒を通って
共同湯「滝の湯」へ流されています

鳴子温泉の豊富な源泉と湯量の起源はここにあり
そしてここに祀られる温泉神社も
鳴子温泉と共に歴史深いものなんですね

すがわら14

今回の宿は鳴子温泉街の東側
鬼首に向かう鳴子大橋の突き当たりにある老舗旅館
慶応元年1865年創業の「旅館すがわら」です

9つのお風呂を持ち
人気の貸切風呂が4つもあり
貸切追加料金や予約は一切なく
ご夫婦やカップルで楽しめる宿です

ワタシ達は混浴宿を中心に全国を回っていますが
「え?すがわらって混浴だった?」と思われる方も多いのではないでしょうか
宿のHPでも4つの貸切風呂と1つの足湯
男女別大浴場「摩天の湯」の内風呂と露天風呂
男女別大浴場「美肌の湯」の内風呂と露天風呂
とだけ記載してあります

ここ鳴子温泉の古くからの習慣である「湯治」において
高齢者の配偶者による介護という
なくてはならない文化が根付いており
”男湯に限り女性入浴可”という宿も未だに数多く残っているそうです
ここ旅館すがわらもその貴重な宿のひとつ

いきなりワタシが男湯に入浴して
騒ぎになっては大変なので、一応フロントで確認済み
やはり言葉を濁すように大々的には混浴を打ち出してはいないとの事でした
当然大浴場にワタシが入っていったら
知らない殿方達は「??」な表情をしていました(笑)

すがわら31

摩天の湯の露天風呂は小ぶりな作りで
山の斜面を利用した高台にある箱庭のようなお風呂
景観はほとんど望めませんが
庭木の緑もあり時折気持ちのいい風が流れていきます

この宿の目玉となっているのが摩天の湯の内湯♪
旅館すがわらの人気の理由その2でもある「美人の湯」なのです

特に館内の源泉の中でも美容温泉成分といわれる
メタケイ酸含有量が最も多いのがこの内湯
温泉成分は天候や温度などで様々な色や濁りを見せますが
ここのお湯の場合、見事な「青」に変化します
条件が揃えば見られるそうです

鳴子温泉の中でメタケイ酸が最も高い数値のこの源泉は
シリカコロイドの散乱現象により青くなるとの事

この日は運良く素晴らしいブルーのお湯を見る事ができました
「すがわらブルー」と呼ばれるお湯
窓から差し込む陽の光がより美しい”ブルー”を作り出しています

改めて温泉って生き物で神秘的なものだなぁ~と
とっても嬉しく、そしてとても幸せな気持ちになれた時間でした

すがわら30


みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆☆

【住所】 宮城県大崎市鳴子温泉新屋敷5
【☎︎】 0229-83-2022
【入浴料】 500円
【入浴時間】 10:30~14:00(13:30最終受付)
【定休日】 無休(混雑時はお断りあり)

【HP】 旅館すがわらHP


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公共の混浴の家!?

logbook #206 鳴子温泉郷 鳴子温泉 農民の家





鳴子温泉の歴史の中でも
異色とも言える温泉があります
その名も「農民の家」☆
すでにネーミングで人々を「?」と思わせるインパクトがあります

農民の家3

その外観は「農民の家」とは程遠い大きな建物
まるでマンモス校を思わせるような大きな”施設”という印象
公民館のような玄関を入ると受付があり
忙しそうに受付をしている人たちの姿が..
その方達も”従業員・スタッフ”というよりも”職員”という感じ
この違和感は...?

それもそのはず
異色とも言えるその訳は
ここ「農民の家」はJAが運営する
日本唯一の温泉保養施設としての専門農協なのです
敷地面積もかなりの広さを持ち
館内は迷路のように複雑怪奇(笑)
時代とともに増築を繰り返したと思える建物は
本館、A棟、B棟、東館、西館、北館、平成館と
初めて来た人は、きっと迷子になってしまうほど

宿泊部屋数は、な、なんと”300部屋”を超えます
最高収容人数は1061名....!言葉も出ません
そんなに対応できる職員はいるの?って疑問も出ましたが
内訳をみると”旅籠部屋が48室に対し
自炊部屋の数が274室になっていました
なるほどほぼメインは自炊湯治の施設ということです

農民の家24
混浴内湯「硫黄泉」
農民の家21

なので迷路のような館内には自炊の人たちが利用する
食堂、スナック!?(笑)、カラオケルーム、休憩室
マッサージ屋さんに診療室まで揃います
まるで一つの町がここあるようで
圧巻なのはちょっとした町のスーパーマーケットとも思える規模の売店
生鮮食品から鮮魚、お菓子、飲料、お土産、生活必需品など
ほぼほぼ何でも揃う品揃え
売店の外には大量の洋服(年配者向け)と靴が露天のように並べられています

ワタシ達が訪れた時期は農閑期に入ったばかりなので
稲刈りの終わった農家の方達でお祭り状態
皆それぞれがリラックスし、宴会場から聞こえる大音量のカラオケのBGMの中
楽しそうに館内で寛いでいらっしゃいました

地域の人たちには当たり前の光景
ワタシにとっては全てが不思議であり新鮮な世界でした(笑)

農民の家19

農民の家29

戦後間もなくの1949年(昭和24)に設立された農民の家
「昔は地主か金持でなければ温泉に入れなかったが農民の力を結集すれば
温泉に浸かって保養しながら教養を高めることができる
農民の別荘のようなものができるのではないだろうか」
という考えのもと当時の農協の組合員から出資金251万円を集め
110万円で土地を購入したのが始まりだそうです

それまでの基本構想では単に「農民保養所」としていましたが
「働く農民の憩いの家」後に「農民の家」という当時の志を反映した名前になり
そして「宮城県農民の家農業協同組合」としてに正式に設立しました。

「温泉療法の医学的研究の場としての病院だけではなく
湯治の実践の場としての施設がどうしても必要と痛感していた」
という当時の人たちの思いが反映されていることから
自炊が中心とされている意味がわかります

農民の家34

農民の家のお風呂の数や泉質も多彩で
独自の4つの源泉を使っています

◻︎男女別内湯(桧の湯)
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
源泉温度 86.1度
農民の家3号泉

◻︎混浴内湯(炭酸泉)
単純温泉
源泉温度 27.8度
農民の家4号泉

◻︎混浴内湯
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
(硫化水素型)
源泉温度 86.1度
農民の家1号泉

◻︎男女別内湯(やすらぎ乃湯)
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
(硫化水素型)
源泉温度 64.7度
農民の家2号泉

その中で混浴は2箇所になります

農民①35

農民①28

泉質の濃い硫黄泉の湯船にあふれるお湯は
雪深く寒さの厳しい鳴子でもしっかり冷えた体を温めてくれそうなお湯でした

もうひとつの混浴内湯の「炭酸泉」
硫黄泉の白壁と白濁湯の内湯とは対照的に
木造りのぬくもりを感じられる室内で
高い天井と柔らかい照明がとても印象的☆

炭酸泉の浴室には湯船が2つあり
無色透明の温度の低い湯船が「炭酸泉」
白濁湯の温度の高いお湯が「上がり湯」になっています
つまりメインの炭酸泉の源泉温度が27.8度と低いために
男女別内湯に使われる硫黄泉の源泉を上がり湯に使用
こちらは逆に温度が高いため湧出口にホースを入れて加水しています
炭酸泉の気泡は温度が高くなりすぎると消えてしまうからでしょうね

農民①24

さすがに冬場の炭酸泉は温度が低くて
ワタシは足湯程度になってしまいました...う~ん...もったいない...
でも常連のおじさま達は長い時間をかけて
寝湯のように炭酸泉に体を沈めながら
顔見知りであろう方達と世間話で盛り上がっていました
熱湯に何食わぬ顔で入浴する達人もいれば
ぬる湯の達人もいるんですね☆

炭酸泉の湯船の周りは茶褐色に変色し
上がり湯の湯船は白く硫黄成分で彩られていました
そのコントラストもまた美しいですね

ワタシ達が脱衣所で着替えていると
おばさま方4名が賑やかに入ってこられて
当たり前のように(当たり前ですが)脱衣し始めました
混浴慣れしているワタシもカレもその光景にはさすがに唖然と...
「あらぁ~今日は若い子が入ってたのね~」ってからかわれてしまいました
さすが混浴が当たり前の農民の家
その後、彼女達が入浴していった数分後に
追い出されるかのように出てきた殿方達の姿も
また農民の家の”ほのぼのとした”混浴の風景”を見た気がしました

農民①20

公共の場における混浴という形
高齢社会の真っ只中の現代において
配偶者の介護の必要性は切り離せない現実
そのずっと前から当たり前のように混浴という文化を
守り抜いてきた農民の家☆
素晴らしいですね

地元”鳴子温泉郷”の観光協会などには一切加盟せず
切り離された、いわば異色のこの施設
鳴子温泉のリゾート化の大きなトリガーになった要因としての
農民の家の話は今回は割愛します
それでも地域の人たちの必要不可欠な日常は
ひとつの文化として大切に守っていきたいと感じました





みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

みうたんお気に入り度☆☆☆☆

【住所】 宮城県大崎市鳴子温泉河原湯5-6
【☎︎】 0229-82-2121
【入浴料】 600円 (16時以降500円)
【入浴時間】 8:00~19:00 (2時間程度)
【定休日】 なし

【HP】 農民の家HP


参考であり、変更もしくは過去のデータである恐れがありますのでご理解ください

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