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2015.10.06 仁義な温泉宿
仁義な温泉宿

logbook #177 奥鬼怒温泉郷 加仁湯





奥鬼怒温泉郷には”奥鬼怒四湯”とよばれる4つの宿があります
”日光澤温泉””手白澤温泉””八丁の湯”そして”加仁湯”
混浴がないのが”手白澤温泉”のみでその他の宿では
全て混浴を楽しめます

その中で最も有名な宿が
ここ”加仁湯”ではないでしょうか☆
今回の奥鬼怒温泉郷への冒険を
送迎バスで行くため(汗)
加仁湯に宿泊してきました

加仁湯 前5
〜第二露天風呂〜

マイカー規制のある”秘境”ではあるものの
加仁湯は近代的な4階建ての立派な宿
もう少し鄙びた感じがあるのかと思っていたので
少し拍子抜け..(汗)
平成に新築された新館(積善館)はロビーも客室も
快適なくらいに秘境を感じさせません

もともとは1934年(昭和9年)に
「岳人小屋 蟹湯」という山小屋からスタート
今でもその当時の宿は旧館の奥に移築された
「長久記念館」として残っています
(長久とは現社長の祖父の名前)

加仁湯の最大の魅力は
バラエティーに富んだお風呂の数☆

積善館男女別内風呂
第一露天風呂(女性専用)
第二露天風呂(混浴)
第三露天風呂(混浴)
ロマンの湯(混浴)
温水プール(夏季のみ)
樹齢600年のシナの木の切り株風呂”愛のハラハラ風呂"
巨石風呂
貸切風呂

特に”ロマンの湯”がとてもユニークで
加仁湯にある5つの源泉
♦︎黄金の湯
♦︎崖の湯
♦︎たけの湯
♦︎奥鬼怒4号
♦︎岩の湯
それぞれの源泉が小さな湯船になって
料亭の個室のように仕切られています

ここは加仁湯の全ての源泉を
”利き酒”ならぬ”利き湯”ができるという事☆
めちゃ面白い♪
それぞれが肌触りも温度も違うので
加仁湯の泉質の違いや良さを体感できます
”たけの湯”だけが硫黄を含まない無色透明でした

加仁湯 前15

体の芯までしっかり温めてくれる
名湯”加仁湯”のお湯
”長久記念館”に名前を残す現社長の祖父”小松長久”さん
そのさらに祖父の”小松峰吉”さんの時代(明治時代)に
この辺りの沢には蟹がたくさんいた事から”蟹湯”と名付けられました
彼は当時”小松峰”という地名を残すほどの山男だったそうです

この名湯は受け継がれ
昭和に入り長久さんの時代に
今の加仁湯の前身となる”祖先館”を建設しますが
奇しくも時代は太平世戦争に突入
継手の長久さんは陸軍に徴収され
しばらくの間”蟹湯”は全く誰も管理できない状態が続いたそうです

昭和23年に兵役を離れた長久さんは
荒れ放題であろう蟹湯に戻ります
そこで人生を変える大きな出来事に出会います

約13年間無人だった蟹湯が
荒れているどころか
今まで通り変わらずの状態..
実はその間
山の愛好家やこのお湯を愛する有志たちが
ずっと長久さんに替わり湯守をしていたのでした

加仁湯 前21
〜夜の第三露天風呂〜

その間の宿帳もきちんと管理され
宿代はお賽銭のように並べられていたと言います
..感動〜♪

若き頃はこの宿を継ぐ事に
決して前向きではなかった長久さんでしたが
この出来事によって
強く心を打たれたそうです
山の男たちから”仁の道(ひととしての道)”を
今までなかった自分自身の心に加えてもらったと☆

その時以来
現在の”加仁湯”という名前に変えたそうです

その後彼はツルハシ一本で
温泉の発掘に励むなど
人生をかけて宿の再建に挑んだそうです

加仁湯にある”仁”には深い意味があったのですね
儒教の教えでもある五常(仁・義・礼・智・信)のひとつでもある”仁"
「他人に対する親愛の情、優しさ」を意味します
その後の彼の温泉の発掘にかけた人生は
自分自身のためではなく
ここを訪れる人たちのため
ここを守ってきてくれた有志のため
つまり”利”ではなく”義”を重んじる生き方
”仁義”の考え方が成り立ちます

そんな先代の教えを受け継いでいる加仁湯
その精神に触れることで
数多くのリピーターが何度もココを訪れるのが
よくわかります

加仁湯 後17

翌朝の加仁湯は
ワタシたちに最高のサプライズをくれました♪
カーテンを開けると一面銀世界
11月の奥鬼怒はもう冬の訪れ☆
まだ誰もいない第三露天風呂で
今年初めての雪見風呂を満喫です

九州から来たEMIさんも
奥鬼怒の雪化粧に感動していました

お湯を受け継ぐだけではなく
先人の思いや考え方をも受け継ぐ秘湯の宿
決して表舞台に語られることはなくとも
全国の温泉地には素晴らしいドラマが
たくさんあります
だからこそ
この”混浴”という風前の灯の文化を
私たちの手で守っていかなければと
改めて感じた宿でした

加仁湯 後5

みうたん☆クローバーZの混浴ログ♪

【奥鬼怒温泉郷 加仁湯】
みうたんお気に入り度☆☆☆☆☆

【住所】 栃木県日光市川俣871
【☎︎】 0288-96-0311
【入浴料】 500円
【入浴時間】 9:00~15:00
【定休日】 無休

【HP】 加仁湯HP


参考であり、変更もしくは過去のデータである恐れがありますのでご理解ください
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